そのときは彼によろしく

そのときは彼によろしく

そのときは彼によろしく

13歳の春に出会った、大切な友達たち。佑司、智史、花梨、そしてトラッシュ。
月日がながれ、いつしか離れ離れになってしまった彼ら。しかし15年後…。

正直、あんまり期待しないで読み始めました。「どうせ流行りものだろう。」「おきまりの『感動』パターンなんだろう。」という気持ちで。図書館で借りてはきたものの、なかなか読まずに後回しにしていました。

でも、読んでみて、今まで読まないでいたことを、なんて惜しい事をしていたんだろう!!と後悔しました。とってもステキな世界がここにはありました。だいたいいつもは読む前に「これは感動する物語だ」と思って読み始めると、期待が過剰すぎるのかなんだか、あっさり読み終わってしまってひょうしぬけ、ということが多いのですが、この物語は違いました。わかっていて、予測して読み始めたはずだったのに、読み終わってもなかなか涙がとまりませんでした。

ちょっとすっとぼけた佑司、そんな佑司を暖かく見守るお父さん、ちょっと変わった女の子、花梨。登場人物たちが、もうとにかく魅力的で。読んでいくうちにどんどん彼らが大好きになりました。特に佑司くん、このキャラ、もう大好きです。どんどん残りページが少なくなっていって、彼らと別れてしまうのがさみしいくらいでした。

ストーリーステキなのですが、物語の中の彼らの会話のテンポというか、かけあいが絶妙なのです。何度もふきだしてしまいました。(とくに「脳のなかのチップ」の話がお気に入りです。)いきいきと描かれている、って、こういうことね!と思いました。

まだ読み終えたばかりだけれど、いますぐにもう一度読み直したい、そんな気持ちになりました。

トラッシュTシャツ、私もほしいです。