葉桜の季節に君を想うということ

葉桜の季節に君を想うということ (本格ミステリ・マスターズ)

もと「探偵事務所」勤務（？）の経験をかわれ、探偵役を頼まれてしまった成瀬将虎。悪徳商法事件に立ち向かう彼は…。

うーん。やられました！そうだったのかぁ！またしてもひっかかりました私。注意して読んでたはずなのになぜ気づかない…。いや、ちょっと変だなぁと思ったことはあったのです。確かに。でも「現在」の物語に繰り返し現れる「過去」の物語、意味ありげなサイドストーリー。きっと何かある…と思っている間に、やっぱり引っかかってました。悔しい…。でもこの「やられた！」がこのお話のメインということで、それはばっちり味わいました。はい。

作品的には、一番最初のシーンで思わず引きそうになってしまったのですが、後はさらっと一気に読めました。本はちょっと厚めですが、それを感じさせません。途中、のさばる悪やら、人間の弱さやらに、腹がたって腹がたって仕方ないところとかもあったのですが、最後にはまぁすっきり（やや微妙ですが…）ということで、楽しめました。そう、やや微妙なのは、「えー！」と思ったのもあるからです。だって、この人、これだけやってきて…ねぇ？ちょっとだけ納得がいかないのです。それを考えると、もうちょっと先まで書いてくれてもよかったのになぁと思ったりもするのですが。いや、ここで終わらせておく、この「寸止め」感がよいのでしょうか？？