クレヨン王国黒の銀行

クレヨン王国黒の銀行 (講談社青い鳥文庫)

クレヨン王国黒の銀行 (講談社青い鳥文庫)

中学一年生の女の子美穂は、山奥に一人暮らしているおじいちゃんの家へ遊びに行きます。ふもとの町の銀行員、彰子の愛車で山へ向かった美穂ですが、山道の途中で助けた男女の二人連れはなんと銀行強盗!車をのっとられ、途方にくれながらとぼとぼ歩いていた二人は、雨宿りしていた洞窟でクレヨン王国黒の銀行のキャッシュカードを拾います。黒いものならなんでもあずけたり引き出したりできるこの銀行。美穂と彰子の考えた強盗撃退の方法とは…。

ダムの建設予定地になってしまった山を、大事な自然を水の底に沈めてしまうことなんてできない!と、守ろうとがんばっているおじいちゃん。そんなおじいちゃんを大好きな美穂や彰子。みんなの気持ちが呼び起こす奇跡が、私をとても幸せにしてくれました。

強盗だって、やっつけるのではなくいい人にしてしまう、福永さんらしいやさしい物語。あ!っとおどろくストーリー展開。そしてすてきなエンディング。いい!

「黒」と聞くとそれこそ暗い、悪いイメージを思い浮かべがちな私でしたが、そんなイメージも吹き飛ばしてくれる!ステキな黒の銀行でした。