クレヨン王国新十二か月の旅
- 作者: 福永令三,三木由記子
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 1988/02/10
- メディア: 文庫
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「クレヨン王国十二か月の旅」で悪い癖をなおしたシルバー王妃は、今では申し分のない王妃さま。確かに立派な王妃さまなのですが…かつてのような輝きを失ってしまったシルバー王妃。ゴールデン国王は、そんな王妃のことがやっぱり心配で、サンタクロースに相談します。サンタクロースからのプレゼントを受け取るため、故郷に帰ったシルバー王妃ですが、一年牢という恐ろしいブラックホールに落ちてしまいます。目覚めた王妃のまわりにいたのは、見覚えのある野菜たち。それは王妃が王宮で使っていたカップに描かれていた野菜たちでした。野菜たちといっしょに王妃は一年牢を抜けるため、十二か月の旅に出発します。
せっかく「完璧」な人になったのに…なんだかシルバー王妃がかわいそうなような。でも欠点のない人は愛されないというやつですよね。完璧な人間ってなんだか近寄りがたいというか…。そんなのぜったい嘘だから、苦しいんだろうな。苦しんでる人といっしょにいるのは、こっちもつらいですもんね。
個性豊かな野菜たちと旅をするにつれて、王妃もだんだんと本来の自分を取り戻して行きます。人はみんな、ありのままの姿が一番美しいのだ!ということを、あらためて思いました。
すっかり元通りの王妃様、めでたしめでたし!というところでカメレオン総理のこの一言に、思わず笑ってしまいました。
「ですが、しかし、陛下のご心配は、電車のレールのように、つきないものと思います、です。」
そのとおり!(笑)。それが生きているということのステキなことですよね!