クレヨン王国水色の魔界

クレヨン王国 水色の魔界 (講談社青い鳥文庫)

クレヨン王国 水色の魔界 (講談社青い鳥文庫)

5年生のカッちゃんは、おこりっぽくて、すぐカッとなってしまう男の子。クレヨンたちもそんなカッちゃんのことを心配しています。ある日、列車にのりこんだカッちゃんがつれていかれたのは、クレヨン王国でいちばんおそろしい「水色の魔界」。そこでは、人間にいじめられてきた魚たちが人間に復讐を企てて…。

最初に読み始めたときは、魚たちを悪役!と思っていたのですが、読み進めていくにつれて、そうじゃないことがわかりました。魚たちは悲しい魚たちでした。やさしい魚たちでした。彼らのつらい体験が語られる部分では涙が出ます。
その話を聞いたカッちゃんも、何も言えない気分になってしまいますが、私も同じです。食べるため、自分たちのために、多くの魚たちを、生き物を犠牲にしているのだということ。魚たちは何も悪くないのに。ほんとうに、どう言っていいのかわかりません。

お話も、わからないまま終わります。ここから先は私たちが自分で考えて、答えを出していかないといけないのかなと思いました。

しかしこの魚たち、ほんとうにやさしいのです。特に最後のシーン。涙なしには読めません。
大将、よかったね。