工学部・水柿助教授の逡巡

工学部・水柿助教授の逡巡

工学部・水柿助教授の逡巡

工学部・水柿助教授の日常」に続く、水柿君シリーズ第二段です。「日常」が作家デビュー前のお話だったのにたいして、「逡巡」はデビュー直前からその後のお話です。

そして前作同様「これは小説です!」と口をすっぱくして水柿君が言っているにもかかわらず、やっぱりエッセイというか実話として読んでしまうわたし。

そんなわたしとしては、「日常」のほうがおもしろかったかも…と思ってしまいました。これもこれであのおもしろさは健在なのですが、なんというか、だって!デビューして、売れっ子になっちゃって、印税がばんばん入って、お金持ちになって、車4台買ったり、土地2回買ったりして。いや、別に人が変わっちゃったわけじゃなくて、むしろお金持ちになってもこんなに変わらないってすごいなぁというくらいのものですが、(作中で水柿君も「何も変わらない」って言ってますし。)、でもそれでも、お金持ちはお金持ちなわけで…。やっぱり土地は買うわけで…。身近だと思っていた人が突然遠くへ行ってしまったような、そういうさみしさがちょっと。(なんてわがままで個人的な感想…!)

でも、お金持ちでもこれからも応援してます!(←いや、だから事実じゃなくて小説なんだってば!)

【追記】「水柿」って名前は、「森」を「木」の文字三つにばらして、それを横に並べた名前なんだなぁということに今回やっと気づきました。おぉ!