ビトウィン

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ビトウィン

大大大大大好き!な『翼はいつまでも』の川上健一さんのエッセイ集です。

私は知らなかったのですが、川上さんは『雨鱒の川』のあと体調を悪くして、『翼はいつまでも』で復活するまで、なんとおよそ十年間(!)執筆活動から離れていたのだそうです。このエッセイではその間(ビトウィン)の「慢性的手元不如意状態」の家族三人と、仲間たちとの暮らしぶりが、ほんとうに生き生きと描かれています。

作品を書いていないわけですから、当然のように川上家はとっても貧乏。川上さんが釣ってくるイワナが食卓を彩るご馳走!という日々です。でもそんな暗さなんて微塵も感じさせず、三人はとってもこの生活を楽しんでいます。それはもう…うらやましくなってしまうくらいに!

川上さんもすばらしいですが、何より奥さんと娘さん(沙月ちゃん:通称ヅキちゃん)が最高です。明るくて健気で…。こんな家族といっしょだったらそりゃぁ素敵だろうな!と。笑顔と感謝と思いやりに満ちた暖かい生活。こんな暮らしから生まれた『翼はいつまでも』が素敵なはずだ!と、とても納得しました。

「小さなうれしいことが大きなうれしさに感じられた」ビトウィン生活。どんなにお金があっても得られない、大事なことですよね…!