ぼくのミステリな日常

chiekoa2005-06-02

社内報の編集をまかされた若竹七海。「小説をのせろ」という難題を与えられた彼女は、大学時代に小説を書いていた先輩に連絡を取ります。彼が紹介してくれたのは「匿名氏」。身分、名前はいっさい明かさないことを条件に、彼が毎月書きつづけた短編小説は「ぼく」の身の回りに起こる不思議な出来事たち。そして1年が過ぎ…。

若竹七海さんのデビュー作だそうです。最初から自分がいきなり登場人物ってすごいなぁ。この物語は、その「社内報」の目次部分と小説部分が1年分掲載されている、というおもしろい構成になっています。

ミステリィ短編の新しい形だわ」とか思ってそれぞれの短編を読んでいたのですが…、最後にあっ!という仕掛けになっていました。それぞれの短編がそれだけで立派にミステリィとして成り立っているのに、さらに全体で一つのミステリィになっているのです。えー!と思って、おぉ!と思って、さらにえぇぇぇ!という感じ…。

しかし、後味が…「えぇぇぇぇ!」のままなんですけど(笑)。背筋、ぞくり、です。