うさぎとトランペット

うさぎとトランペット

うさぎとトランペット

前作「楽隊のうさぎ」の続編ですが、前回の主人公だった中学生たちは、ここでは中学を卒業し、脇役として登場します。

今回の主人公は小学五年生の宇佐子です。クラスメイトのちょっと変わった女の子と親しくなった宇佐子。クラリネットを練習している彼女につられて、市民吹奏楽団「ピンクバナナ」に出入りするようになった宇佐子は自分もトランペットを吹くようになり…というストーリーです。

前回と違い、「中学校の吹奏楽部」がメインでなくなったので、そこに関しては熱くならず、落ち着いて読めました(笑)。

でも…やっぱりなんだかちょっと物足りなかったです。子供が音楽と出会ってそして変わっていく。それが描きたいのはわかるのですが、それにしては音楽がいまいち魅力的に書かれていないなぁと。これなら音楽じゃなくったっていいじゃないか、サッカーでも刺繍でも、と思ってしまったのです。前作に登場した彼らのその後も、このエピソードはいるのやらいらないのやら。

思い入れが強すぎる素材っていうのは、読みづらいのかもしれないなぁ…。

なお、全然本題とは関係ないですが、個人的に宇佐子のお父さんがとてもお気に入りでした。このお父さんはいいなぁ。