泳ぐのに、安全でも適切でもありません
- 作者: 江國香織
- 出版社/メーカー: ホーム社
- 発売日: 2002/03/05
- メディア: 単行本
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たくさんの女性の恋を描いた、短編集です。
これぞ「短編」まさに「短編」。しかし短すぎやしませんか?!
この人の書くものは、なんというかとても感想が書きにくいです。水を飲むみたいに、読んで、読み終わって、ほぉって思って、それで終わりというか。(寝て起きたらどんなこと書いてあったのかあんまり覚えてないし…。)でもキライじゃないのです。わけわからない!とか、それで?とか、ここで終わり?とか思いながら、なんだかんだ言って結構読んでいるのです。不思議です。
とにかくタイトルが秀逸だと思いました。これだけでつかみはオッケーというか、勝ち負けでいうと勝ちというか。たくさんの短編が収録されていますが、このタイトルの短編がいちばん印象に残ってます。ダメ男といっしょに住んでいる主人公。
今度こそ別れてやる、追い出してやる、別れてやる、追い出してやる。
何かを恐れているより、恐れていることが起きてしまう方が、少なくとも安全な状態ではないか。
まただ。
まただまただまただ。私は自分を呪った。ばかみたいだ。何度同じことをされたらあきらめがつくのだろう。
この「繰り返し」…。深く、深ーく、考えさせられる、彼女の心の叫びでした…。