泳ぐのに、安全でも適切でもありません

泳ぐのに、安全でも適切でもありません

泳ぐのに、安全でも適切でもありません

たくさんの女性の恋を描いた、短編集です。

これぞ「短編」まさに「短編」。しかし短すぎやしませんか?!

この人の書くものは、なんというかとても感想が書きにくいです。水を飲むみたいに、読んで、読み終わって、ほぉって思って、それで終わりというか。(寝て起きたらどんなこと書いてあったのかあんまり覚えてないし…。)でもキライじゃないのです。わけわからない!とか、それで?とか、ここで終わり?とか思いながら、なんだかんだ言って結構読んでいるのです。不思議です。

とにかくタイトルが秀逸だと思いました。これだけでつかみはオッケーというか、勝ち負けでいうと勝ちというか。たくさんの短編が収録されていますが、このタイトルの短編がいちばん印象に残ってます。ダメ男といっしょに住んでいる主人公。

今度こそ別れてやる、追い出してやる、別れてやる、追い出してやる。
何かを恐れているより、恐れていることが起きてしまう方が、少なくとも安全な状態ではないか。

まただ。
まただまただまただ。私は自分を呪った。ばかみたいだ。何度同じことをされたらあきらめがつくのだろう。

この「繰り返し」…。深く、深ーく、考えさせられる、彼女の心の叫びでした…。