恋するたなだ君

恋するたなだ君

恋するたなだ君

たなだ君、二十九歳。ある日ドライブに出た彼は道に迷い、見知らぬ街に迷い込みます。そして車の中から見かけた歩道を歩いていた女性の後姿に、一目ぼれ。恋に落ちた彼がとった行動、そして巻き込まれた大騒動は…?!

ものすごいアクセル全開のラブストーリーでした!予測不能。こういうのもアリなんですね。すごい。もはやファンダジーです。(最後にはあんな彼まで!おどろきました。)

出てくる人はなんだかトンチンカンでめちゃくちゃだし、主人公はどこかすっとぼけてるし、何がなんだか、わけわからないのですが、とにかく圧倒的。はちゃめちゃだけど愛すべき人々…そしてたなだ君。いい!最高です!

たなだ君の乗っている車もよいです。「パオ」。以前、車を買うとき「パオ」にするか「Be-1」にするか悩んだんですよね…。結局そのときは「Be-1」にしましたが、これを読んで「パオ」にしておけばよかった!とちょっと思ってしまいました。

「僕はあなたに何もあげられない。僕といたって得になることはひとつもありません。でも僕はあなたに、これまでとはまるっきり違う人生をあげることができます。そこには黄金の布袋様もないし、博物館もない。綿菓子喫茶も怪獣と闘うおじいさんもいません。だけど、もし、あなたが僕と一緒にいてくれるなら、僕たちはそれを作り出すことができるかもしれない。布袋様よりもっと輝いていて、綿菓子よりもっとおいしくて、博物館よりもっと楽しい何かを。僕があなたを愛して、あなたが僕を愛したら、それはできるんです、多分」

このあたりでやられました。「恋するたなだ君」転じて「たなだ君に恋する」…きゅーん!

こんな恋に私も落ちてみたい…にえ!(いや、大変?!)


【追記】この本は図書館で借りるのではなく、買いましょう!なぜならば表紙のカバーをはずすしてみると、そこがまたステキだからです。